平成27年度歯・口の健康に関する図画ポスターコンクール

日本学校歯科医会入賞作品
(大阪市代表)優秀賞

鶴見小学校1年

武部彩花さん

歯・口の健康づくり(中学校)

概要

 中学校における保健指導は、平成4年から「中学校歯みがき巡回指導」として始まりました。そして、平成14年に6年生に「歯・口の健康教室」が始まったことを受けて 名称も中学校「歯・口の健康教室」に変更されました。この保健指導は、中学校1年生を対象にした学年別の集団指導で、大阪市教育委員会 大阪府歯科衛生士会 ライオン歯科衛生研究所から歯科衛生士が派遣されて行なわれていましたが、大阪市教育委員会の諸事情により 歯科衛生士派遣が中止になったことを受けて、2年間の暫定期間後 平成24年から学校独自の方法で保健指導を行なう「歯・口の健康づくり」に変更されスタートしました。


 旧の「歯・口の健康教室」では小学校の3つの保健指導内容を踏まえて 歯肉炎から歯周病への移行や生活習慣との関わりを 体育館に集まった中学校1年生を対象に集団指導を行ないました。これは、大阪市学校歯科医会が児童生徒に行なう最後の保健指導になりますので、「ブラッシングを科学する」というライオンが作成したDVDを上映後 歯科衛生士による歯みがきの最終確認と食育を中心とした保健指導が行われました。また、出席した学校歯科医よる講話も多数行なわれたようでした。

 

 そして、平成24年度から学校歯科医と養護教諭によって、各学校の実状に応じた内容や手法で保健指導を行なう「歯・口の健康づくり」が始まりました。大阪市学校歯科医会としてはこれに対応するために中学校の学校歯科医と養護教諭対象に計4回の「歯・口の健康づくり研修会」を開催しました(詳細はPDFファイルを参照下さい)。 それによって、中学校のおける「歯・口の健康づくり」は大阪市教育委員会の集計調査によると 実施した学校は79校と歯科衛生士派遣のあった前年の68校を11校も上回るという成果を上げることができました。

内容

小学校時代の指導内容を踏まえて 歯周炎から歯周病への移行や生活習慣との関わりを理解させる 特に食育に関連した指導内容を重視する

対象・人数

中学校全学年(学年別 又はクラス別)
募集方法

学校毎に実施方法と時期を決めて実施する その実施内容について指導と管理を行い サポート体制を取る

実施時期:9月~3月

場所:各中学校の体育館、教室など

開催実績

第6回 歯・口の健康づくり研修会

 大阪市の養護教員の先生方を対象にした第6回歯・口の健康づくり研修会が、夏休み中の8月18日に、大阪府歯科医師会館の大ホールで開催されました。当日は37度の猛暑にもかかわらず126名の先生方が参加して下さり、最初の実習器具の使用説明などの1時間の講演の後、5つのテーブルクリニックのコーナーで数多くの実習を体験していただきました。2年前にも同じ形式の研修会を開催しましたが、今回は幼稚園と小学校の先生方にも参加して頂き、経口補水液の作成や口唇圧測定などの新しい実習も追加して、盛り沢山の指導内容を最後まで熱心に受講していただきました。

体験学習で使用した実習記録記入用紙などの当日資料をPDFファイルでダウンロードできるようにしておりますのでご活用下さい。

 

日 時 平成28年8月18日(木) 午後2時~5時

場 所 大阪府歯科医師会館 大ホール

主 催 一般社団法人大阪市学校歯科医会・大阪市教育委員会

参加者 大阪市立の全学校の養護教員を対象にしました。

     幼稚園 15名 小学校76名 中学校29名 高等学校6名の先生方が受講されました。

インストラクターのスタッフ

    大阪市学校歯科医会 理事 学術部員 26名

    大阪市教育委員会・大阪府歯科衛生士会・ライオン・サンスターの歯科衛生士 7名    

研修内容

①歯・口の健康づくりのこれまでの保健指導内容と今後の実施内容について 岡本卓士会長

②本日の学校歯科体験学習の指導内容の説明 林昭典常務理事・豊田裕章学術部員       

③テーブルクリニック形式の体験学習  

 

 

A-1コーナー:スポーツドリンクのpH値と糖度の測定

・清涼飲料水のpHと糖度を測定して、ペットボトル内のステックシュガーの本数を換算する。

・口腔内pHをリトマス試験紙で測定し、その後ポカリスエットを飲用後、再度口腔内pHを測定し、その変化を観察する。

A-2コーナー:経口補水液作製実習コーナー

・500mlのミネラルウォーターにブドウ糖10gと食塩1.5gを入れてレモン水数滴を混ぜて経口補水液を作成し、味を確かめる。

B-1コーナー:かみかみセンサーによる咀嚼回数の計測

・食材の普段の咀嚼回数を計測し、30回噛んだ時との比較を行う。

 

B-2コーナー:咬合力計と咀嚼力判定ガムによる咀嚼の測定

・咬合力計で左右の第一大臼歯と前歯部の咀嚼力を計測する。

・咀嚼力判定ガムを10回、30回、60回噛んだ時の色の変化を観察する。

C-1コーナー:歯みがき圧測定と歯みがき集団指導

・歯みがき圧測定器で普段の歯みがき圧を測定して、適正圧の150gを体験する。

・人形のじょうず君や顎模型などの教材を使っての集団歯みがき指導を体験する。

C-2コーナー:りっぷるくんによる口唇圧測定とあいうべ体操

・りっぷるボタンを装着して口唇圧を測定する。

・口唇閉鎖力や口呼吸を改善するあいうべ体操の説明を受ける。 

Dコーナー:歯垢染色による個別指導コーナー

・自分の歯の歯垢染色によって、個別指導の方法を習得する。

・デンタルフロスの使用方法やフッ化物入り歯みがき剤の使用方法を習得する。

 

E―1コーナー:位相差顕微鏡による口腔内細菌観察

・自分の歯垢を採取して位相差顕微鏡によって、モニターで口腔内細菌を観察する。

 

E-2コーナー:フッ化物のたまご実験とフッ化物洗口によるフッ化物予防コーナー 

・フッ化塗布用のフッ化物、医薬部外品の歯みがき剤、化粧品の歯みがき剤の3種類の歯みがき剤を塗ったタマゴをお酢につけて、歯みがき剤を塗っていない面との泡の出方を観察する。

・フッ化物洗口剤10ccで30秒間含み、嗽をしてフッ化物洗口を体験する。

 

 ※体験学習の進行順 

各班は1コーナーで2班に分かれて2つの実習を20分間で体験し、下記の順番で各コーナーを回って全部の実習を修得することができました。      

 A-1班 A-2班  A→B→C→D→E

 B-1班 B-2班  B→C→D→E→A

 C-1班 C-2班  C→D→E→A→B

 D-班        D→E→A→B→C
 E-1班 E-2班  E→A→B→C→D

スティックシュガー換算票.pdf
PDFファイル 8.4 KB
Microsoft Word - 第6回歯・口の健康づくり研修会 実習測定値・記
PDFファイル 57.9 KB

第5回 歯・口の健康づくり研修会

日時:平成26年8月21日(木) 午後2時~5時   
場所:大阪府歯科医師会館 大ホール
対象:中学校担当 学校歯科医・養護教諭

   高等学校担当 学校歯科医・養護教諭

   新任養護教諭 
研修

1.歯・口の健康づくりのこれまでの保健指導内容と今後の実施内容について

      大阪市学校歯科医会 西本達哉 専務理事
2.歯・口の健康づくりの実践発表

     文の里中学校 川西旭彦先生  川西歯科歯科衛生士 小藪久美さん

             堀江中学校  松井正弘先生  養護教諭      小泉有紀子先生

3.本日の学校歯科体験学習の指導内容の説明

    大阪市学校歯科医会 林 昭典 常務理事

4.テーブルクリニック形式の体験実習
    A.歯垢染色による個別指導コーナー
    B.かみかみセンサーと咬合力計による咀嚼と食物の体験学習コーナー

    C.位相差顕微鏡の細菌観察による むし歯と歯周病の学習コーナー
    D.スポーツドリンクのPH測定と糖度測定・フッ化物のたまご実験による

     歯の溶解でのむし歯発生の体験学習コーナー

第4回 歯・口の健康づくり研修会

 

日時:平成24年8月2日(木) 午後2時~5時   
場所:大阪府歯科医師会館 大ホール
対象:中学校担当・養護教諭・平成24年度 新任養護教諭

  (学校歯科医はオブザーバー参加)
講演

1.歯の外傷への対応について  

    大阪市学校歯科医会 井手成信 副会長
2.歯科保健指導の実践編
(1)中学校における歯科保健指導の実践

    大阪市学校歯科医会 林昭典 常務理事
(2)模擬授業の紹介 

    市教委 学校保健課歯科衛生士 北八重子 平中早苗 

(3)歯科保健の実習(テーブルクリニック)
    a.位相差顕微鏡 体験コーナー
    b.かみかみセンサーによる 食べ物の噛み応え体験コーナー

    c.咬合力計による指導コーナー
    d.スポーツドリンクのPH測定と糖度測定フッ化物たまご実験コーナー

    e.個別指導歯みがき体験 歯ブラシ圧測定コーナー

第3回 歯・口の健康づくり研修会

 

日時:平成24年3月3日(土) 午後2時~5時    
場所:大阪府歯科医師会館 第6会議室          
対象:中学校担当・学校歯科医
講演

 1.中学校における学校歯科保健活動について

   大阪市学校歯科医会 西本達哉 専務理事
 2.中学校の歯科保健指導実践編

   市教委 学校保健課 歯科衛生士 北八重子
 3.養護教諭と行う歯科保健指導の紹介

   大阪市学校歯科医会 林昭典 常務理事
 4.歯科保健教材器具を使った授業の具体例紹介

   大阪市学校歯科医会 岡本卓士 副会長

第2回 歯・口の健康づくり研修会

日時:平成23年8月25日(木)午後2時~5時    
場所:大阪府歯科医師会館 第1,2会議室
対象:中学校担当・養護教諭・平成23年度新任養護教諭

  (学校歯科医はオブザーバー参加)

講演

 1.大阪市の学校歯科保健事業について 

   大阪市学校歯科医会  岡本卓士 副会長
 2.学校歯科医と行う歯科保健指導について

   大阪市学校歯科医会 西本達哉 専務理事

 3.学校歯科保健実践編

   大阪市教育委員会 北八重子 平中早苗

第1回 歯・口の健康づくり研修会

日時:平成23年8月4日(木) 午後2時~5時       
場所:大阪府歯科医師会館 大ホール
対象:中学校担当・養護教諭・平成23年度新任養護教諭

   (学校歯科医はオブザーバー参加)
講演

 1.大阪市の学校歯科保健事業について 

   大阪市学校歯科医会 岡本卓士 副会長
 2.学校歯科医と行う歯科保健指導について

   大阪市学校歯科医会 林昭典 常務理事

 3.学校歯科保健実践編

   大阪市教育委員会  北八重子 平中早苗

参加された方の感想文

第4回 歯・口の健康づくり研修会に参加された養護教諭の感想文

  様々な実習に参加させていただき、自分自身の目で確認し、体験することができ、大変勉強になりました。例えば歯みがき圧の加減は、力が想像以上に加わっており、数値を見ながらの実習はとても役に立ちました。なによりショックだったのは、大きな画像に映った自分の口腔内の細菌でした。人体で刻々とくり広げられている世界をかいま見ることができ、生きていることを実感した瞬間でもありました。健康管理は、口の中からと言われていますが、歯の大切さ、噛むことの大切さと生活習慣病との関わり、全身への影響等、実習や豊富な映像を通じて深く理解することができました。自分自身が健康の大切さを知り実践してこそ生徒へもしっかり伝えられるのではないかと改めて思いました。貴重な資料や実習等、研修の場を準備していただき、本当にありがとうございました。ぜひ本校でも役立てていきたいと思います。

今年度より「歯・口の健康教室」が市教委からではなく、学校歯科医中心の「歯・口の健康づくり」に移行されることになりました。そのための模擬授業は、とても参考になりました。また位相差顕微鏡の使い方や、咬合力測定等の実習は、生徒への「歯・口の健康づくり」を実践していく上で、授業内容の選択肢を増していただけるよい機会だったと感謝しています。本校も、これから実施予定の「歯・口の健康づくり」講習会を、学校歯科医の先生と相談しながら実施していきたいと思っています。

「歯・口の健康づくり」研修会に参加させていただき、「歯」の大切さ、そして「食」というものについてあたらめて考える機会となりました。

 歯科保健の実習では、テーブルクリニック形式で様々な体験コーナーが準備されており、はじめて使う器具があったり、それを使って自分自身の普段の食事のとり方や歯みがきの改善点に気付いたりと、新しい発見がたくさんありました。また、この体験実習を通して各校の養護教員の方々ともたくさんのお話をすることができ、交流の場になったことを大変うれしく思います。写真や絵など視聴覚的な資料もたくさん配っていただき、とても勉強になりました。

 今回の研修会で学んだことを今後の歯科保健指導に活かし、保護者や子供たちに対して、「歯・口の健康づくり」に対する認識や理解を深め、食生活の見直しや歯周疾患予防につながるものとなるよう、取り組んでいきたいと思います。

調査結果

歯科衛生士の派遣のあった従来の歯・口の健康教室は 平成24年度から 学校独自で行なう歯・口の健康づくりに変更になりました。各中学校で行なわれた保健指導の状況を 学校歯科医から返送された実施状況調査票を下に集計しましたのでご参照下さい。

 

1.開催状況  

  (56)実施済  (23)実施しなかった  (11)検討中
2.開催形式

    (20)養護教諭とTT方式で学年別に講演形式で行った。
    (10)検診を活かした個別指導や健康相談を行った。
    (10)保健体育・総合的な学習の時間・特別活動を使用した学級指導
    ( 3)臨時健康診断を行い、その時に個別指導を行った。
    ( 2)学校保健委員会を開催し、保健委員の生徒を対象に

      行った。
    ( 5)その他
3.参加者

   養護教諭(54名)  保健主事(13名)クラス担任(39名)         

 学年主任(28名)  校長(13名)  教頭 (13名)
 歯科衛生士(  自院 9名  派遣依頼 6名 )歯科医師(3名)
4.使用した学校保健教材について
    (17 )ブラッシングを科学する 指導用DVD
    (38 )大阪市学校歯科医会と大阪市教育委員会から配布された学校保健教材

      ファイルのスライド
    (5  )位相差顕微鏡
    (2  )咬合力計   

 (1  )カミカミセンサー
    (1  )デジタルpHメーター   

 (1  )デジタル糖度・濃度計
    (   )歯みがき圧測定器   

 (4  )歯垢染色液
   その他
   独自のパンフレット(2名) 自作のオリジナル(2名)

   模型(1名)

5.来年度の予定

    (51 )実施する (24)検討する ( 8 )予定は無し 

 ( 5 )無回答


 開催状況は回答された学校の内 62%の実施率でありました。これは従来の歯・口の健康教室の実施率と均衡し、学校歯科医や養護教諭のご努力により例年通りの規模で実施されました。また講演形式は20校でしたが 学校の状況に応じた個別指導や健康相談・臨時健康診断・学校保健委員会など多岐にわたって実施されたようです。また 学校側も養護教諭に任せるのではなくて 校長 教頭 担任と多くの参加者の協力があったようです。


 指導内容は従来のDVDを上映するだけでなく 学校歯科教材ファイルを使用するなで工夫されたのが分ります。ただ 位相差顕微鏡などを使った保健指導までは 時間配分が難しかったようです。


 来年度は実施するのが49校と 今年実施した55校よりは少ないですが 検討する24校を加算すると73校になり、大阪市の全中学校の内、半分以上で実施が期待されるようです。

資料ダウンロード

大阪市の中学校での歯科保健指導について(岡本卓士著)
平成23年度(第52回)大阪市学校歯科保健研究大会冊子p20~25に掲載。
平成4年から始まった「歯・口の健康教室」での保健指導内容や、中学校「歯・口の健康づくり」へ移行された経緯が紹介されています。
大阪市の中学校での歯科保健指導.pdf
PDFファイル 451.6 KB
平成24年度大阪市学校歯科保健研究大会冊子掲載(岡本卓士著)
学校歯科医と養護教諭による学校独自の保健指導に移行するために 4回開催された歯・口の健康づくり研修会の研修内容が紹介されています。
「歯・口の健康づくり」研修会.pdf
PDFファイル 456.3 KB